秋の信州アート散策 Day1

9月20日

2時半起床、3時に出発。高速の深夜割適用時限は4時。圏央道、相模原愛川ICへ5分前に進入しクリア、3割引獲得。

夜が明けて双葉SAにてしばし休憩。7時には諏訪ICで中央道を退出。

朝の諏訪、山道を駆け上がる前に小休止。神長官守矢史料館に立ち寄る。藤森照信氏の手による建物は、春に訪問した浜松の秋野不矩美術館同様、絵本の世界から現れたような不思議な造形・世界観でありながら周囲に溶け込んでいる。開館前のため施設内部、展示内容の理解はまたの機会に。

すぐ近くに諏訪大社の前宮があり参拝。今回の旅の無事を祈りヴィーナスラインへ。文字通り霧が立ち込める霧ヶ峰まで高度をあげていく。

美ヶ原高原美術館に到着。オープンは9時、やや肌寒い。駐車場には車中泊トラベラーたち多数、ちょうど起床し活動を始めている。残暑下での車中泊に高原は最適なのかも。

ここは箱根彫刻の森と同系列なので、似たものと先入観をもっていたが若干趣きが異なった。比較的に作品数が多くレイアウトも密で、世界観が混濁してカオス。霧が流れる中、アモーレの鐘が鳴り響く。ゲームやアニメで描かれる異世界に紛れ込んだような摩訶不思議さ。

一通り見終わってみると予定を超えて2時間近く滞在していた。いつも横目で通り過ぎていた施設は想定外の面白さがあった。

下界に戻り霧も晴れて鹿教湯まで。信州のツーリングルートではいつもチェックポイントだったような気がする。読みにくい地名なので覚えていたが思い出は特にない。

高原ウォーキングで眠気は覚めていたが、午後の行動のためリフレッシュしておきたい。鹿教湯から少し離れた小さな温泉地、霊泉寺温泉の共同浴場200円。

先客なし、30分ほど独占入浴することができた。

別所温泉方面にそれて少し走ると太平洋戦争で亡くなった画学生の作品を展示する無言館がある。

キリスト教に関連する施設なのだろうか、展示室が十字型になっていて聖なる空間。高い志と理想に満ちた20代の若者の真摯な画風、特に自画像の眼差しの強さには素直に胸を打たれる。

千曲川を渡って上田市街周辺、尾澤木彫美術館。

農民美術、特に木片人形のコレクションが多数とのことで訪問。立派なややモダンな古民家にひとの気配はなく、ベルを鳴らして主人を呼び出す。来館者は珍しいようで丁寧に概要説明いただき、展示の導入部まで案内いただいた。

木片人形はもちろん、その起源とされるロシアの木彫り、それに類する世界の木彫りの小品がケース内にぎゅうぎゅう詰め。主人自ら収集して来たという作品たちは、これでも陳列しきれないものが多数ダンボールで眠っているとのこと。別施設にて全てのコレクションを展示する計画があるそうなのでこの地への再訪の楽しみ・期待感が残った。

各施設のんびり過ごしたにも関わらず予定よりはやく上田駅に14時に到着。遅い昼食を餃子の王将で済ませて上田市美術館サントミューゼを訪れる。農民美術関連のコレクションが見られる常設展のみ見学。ミュージアムショップで木片人形の手法を継承し作られている土産物、フクロウと上田獅子の2点を購入。大雑把でザクザクした形が、円空仏にも通じるような力強さでとても気に入っている。

時を経て現代の作家が新たに作品を生み出し始めている背景には、現在のフィギュア愛好の趣味がオタク文化の枠を超え一般化してきた風潮にも関係があるのかもしれない。歴史に埋もれていた民芸品が再評価されて、今の時代にあった作品が生まれていけば面白いと思う。

15時に予約していた上田駅前の安ホテルにチェックイン。夕方の市街地を散策するため初めてドコモのレンタサイクルを利用してみた。上田城内、洒落た柳町を通り抜け、昭和レトロな柳の湯にて入浴。番台のおばさまからデフォで高温と注意を受けた。水うめのルールを説明されたがそのまま入って我慢できないレベルではなかった。

懐かしの瓶コーラで水分補給してから、クールダウンしつつポタリング再開。

上田の歓楽街、袋町は昭和のまま時が止まっていた。日が落ちてスナックの看板に灯りが点れば真の姿を現わすのかもしれない、いまはただ寂れた風情。ちなみに映画館は営業中。ストリップの看板は映画のセットで架空のもの。役目を終えても撤去せず残してあるようです。上田はレンタサイクルで一回りするのにちょうど良い街だった。駅に戻って返却、17時半くらい。駅ナカの立ち飲み屋にて焼き鳥3本+他3品900円のセットとシャリキンホッピー。名物というニンニクの効いた濃厚な美味ダレが入ったコップに一度づけして食す上田流焼き鳥をいただいた。

ホテルに戻って追い晩酌したら、爆睡で本日は終了。

本日の走行 336km  歩行 10.8km